本研究の目的は、市民参加型テクノロジー・アセスメントの手法について、さまざまな手法の特色や実施事例を詳細に分析するとともに、こうした手法の将来の普及に対応しうる資質・能力をもった児童・生徒を育成するための、理科教育におけるカリキュラム開発を行うことである。 本研究は、情報収集のフェーズ(第1段階)、カリキュラム開発のフェーズ(第2段階)、試行・評価のフェーズ(第3段階)、という3つのフェーズ(研究段階)を中心として計画している。この他にも、より良いカリキュラムとするために、補助的な研究作業を平行して計画している。 本年度は、おもに情報収集のフェーズにあたっていた。そこで、市民参加型テクノロジー・アセスメントの手法について、基礎的な情報や資料の収集を積極的に行ってきた。特に、コンセンサス会議については、近年の我が国においても具体的な実施例が見られるため、重点的に情報収集を行ってきた。現在、こうした成果をまとめつつ、市民参加型テクノロジー・アセスメントの手法が、市民・参加者にどのような資質・能力を要求するのかを、検討しているところである。また、生徒・学生が、実際にはどの程度、市民参加型テクノロジー・アセスメントに対応しうる資質・能力を持っているかについて、アンケート調査の準備を進めている。 なお、上記および関連内容については、その一部を、理科教育学会ならびに科学教育学会において口頭発表した。
|