研究概要 |
本研究では平成21年度,宵少年の科学リテラシー涵養を目的とした継続的科学探究学習プログラムを開発、実施し,評価を行なった。 開発・実施:先行研究やプログラム事例等の調査成果を踏まえ、中高校生を対象とし、科学的テーマ(21年度はエネルギー)について学習した成果を一般見学者に普及するための展示を製作し解説を行う,継続学習プログラム「中高生・アフタースクールプログラム」を開発した。このプログラムでは科学的テーマに関する「感性の涵養」と「知識の習得・概念の理解」,「科学的な見方・考え方の育成」,「表現力・コミュニケーション能力の育成」の4つの目標を設定し、平成21年7月29日~11月29日の夏期休暇と日曜を中心とした15日間の活動で中高生23人が下記4段階の発展的流れで継続活動を行なった。 (1)見る・学ぶ:専門家の講義と外部施設の見学研修を通じた学習。(2)考えをまとめる:前半活動のまとめを行い,WEB報告書を作成。(3)展示企画製作:4つの班ごとに学習成果を一般見学者に普及するための展示を製作。芸術系の大学生が補助。 (4)展示・解説:作品を国立科学博物館に2ヶ月間展示し,中高生が見学者に向けて定期的に展示解説。毎回解説の様子をビデオ撮影し,振り返りを行なった。 評価:参加者事後アンケートにおいて、エネルギーの大切さを実感したり、多様なエネルギーの概念を認識する回答が見られた。活動中定期的に実施したコンセブトマップの分析において、活動後半になるにつれてエネルギーに関連する言葉の増加、エネルギーに関する概念の広がりや構造化が見られた。見学者アンケートでは、展示に対して高い評価を受けるとともに、展示解説が回を重ねるごとに進歩していることも評価された。 これらから、目標とした科学的テーマに関する感性の涵養と知識の習得・概念の理解、参加者の表現力・コミュニケーション能力の向上に対しおおむね良好な結果が得られた。
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