研究概要 |
本年度は遠隔情報保障スタジオの機能分析,起動作業の分析,縮小セットのスタジオ構築を行なった. はじめに,現在使用されているスタジオのユーザビリティ評価として,5名の被験者を対象としてスタジオ起動実験を行なった.その結果,起動後の状態を提示し,起動をさせたところ,70~99%の作業遂行率となった.一方,作業遂行率が高くても,スタジオに必要な機能を起動出来ていない被験者も見られた.すなわち,作業内容によっては機能の実現に大きく寄与するものとそうでないものがあることがわかる. スタジオの起動に慣れていない情報保障者でも,適切なマニュアルを提示することによって独力でスタジオの機能を作動させることができ,適切な機器の設定を行うことでその作業時間を短縮する可能性があることがわかった.すなわち,映像,音声機器等について特別の知識を持たない者でもマニュアルに従ってスタジオの起動ができることがわかった. 縮小セットのスタジオの構築については,複数の映像通信サービスを用いて映像送受信の実験を行ない,手話通訳,スライド,キーワードを合成した手話通訳映像の伝送が可能であることを確かめた.これまで,高価なビデオミキサーを用いて行なっていた画面合成をPC上の画面で合成するなど,安価・汎用の機器で同等の機能を実現することができたと考える.
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