研究課題
従来の電子黒板システムでは、単体での使用を前提としているため、教師が入れ替わり生徒のいる教室に来て授業を行う日本の形態では、一人の教師の書いた板書のデータはそれぞれの教室にある電子黒板システム内に散在してしまう。板書データをネットワークを利用して一元管理すれば、各教室にデータが散在してしまうことがなくなる。しかしながら、学校には教師が複数おり、板書した教師を識別する必要がある。これには、あらかじめカリキュラムを電子化しておき、板書されている時刻だけを元に教師を識別する方法が考えられるが、カリキュラムを詳細に電子化しなくてはならない点や休み時間、振替授業などが合った場合の対処など現実的に難しい。そこで本研究では教師の識別に非接触ICタグを利用し、簡単に板書を識別できるようにする。市販の電子黒板に転用可能なハードウェアは付属の専用ソフトウェアのみで動作するように作られているため、当年度はこれらのハードウェアを本研究で電子黒板として利用するためのドライバ的なソフトウェアを他のOSにも比較的移植しやすい形で開発を行った。また、ICタグの検出を電子黒板で利用できるようにするためのソフトウェアモジュールの作成とテストを行った。ICタグにはFelicaカードを用い、個人識別には、Felicaカード自体の番号または本学で利用しているFelicaカードのフォーマットを読み込み利用できる形とした。本研究では、複数の電子黒板をネットワークに接続し、板書データの送受信並びに状態管理を行うため、複数の電子黒板を協調させるためのシステム全体の設計を行った。
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