マルチメディア・コンテンツは、静止画または動画といった視覚情報とナレーション等の聴覚情報の組み合わせが効果的であるとされている。しかし、講師個人がコンテンツを作成する場合、静止画と動画を頻繁に使うことはコストがかかるため、コストがかからないテキストを使ったコンテンツ作成が中心となる。eラーニング・コンテンツの増加や普及のためにも、コストをかけず容易に作成できるコンテンツでも、静止画と動画に劣らない学習効果を得られるようにすることが重要である。本研究では、眼球運動測定装置であるアイマークレコーダを用いて、受講者の眼球運動を測定することで、外的認知負荷軽減の観点から、eラーニング環境におけるコストパフォーマンスに優れた効果的なコンテンツ開発法を示すことが目的である。 平成22年度は、eラーニング・マルチメディア・コンテンツを用いた学習環境に関する実験の追加実験を行い、詳細に検証を行った。具体的には、タブレットPCを用いた学習時における、被験者のマルチメディア・コンテンツ上での注視点の測定を行い、外的認知負荷の軽減と学習効果を検証した。その結果、マルチメディア・コンテンツを提示するeラーニングにおいて、タブレットPCを用いた学習が効果的であることが示唆された。この結果から、紙とペンと同じように、書込みながら学習を行えるコンテンツの作成を行った。
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