平成21年度は、ソフトウェアの開発を中心に行った。5月からソフトウェアの開発を行い、9月初旬には、付箋紙を貼付ける機能を有したテスト版を完成させた。この開発は、1)インターフェース完成の段階、2)付箋機能を有する段階、3)授業のビデオ映像との同期の段階、4)タブレットからタブレットPCでの利用の段階、の4段階で取り組み、各段階を終えるたびに院生と学部生にソフトウェアを実際に使用してもらい評価を行った。これらの研究成果については、日本教育工学会の全国大会や、The World Association of Lesson Studies International Conferenceで発表し、多くの研究者と意見交換をした。 ソフトウェア開発と同時に、実際の学校で行われている授業研究会(研究授業と、事後の研究会)に参加し、どのように授業研究会が展開されているのかを調査した。これは本研究の目的の1つである「共同的な授業分析における分析過程の明示の意義」や、特徴である「教師の専門職性、同僚性、自律性」を明らかにするためである。また、教師の専門職性などについて研究が盛んなトロント大学(カナダ)を訪問し、教師教育や授業研究の現状について調査した。これらの研究成果については、中部教育学会での発表、日本教育工学会と日本教育方法学会の全国大会での発表し、多くの研究者と意見交換をした。そして名古屋大学の紀要に、これらの成果の一部を掲載した。
|