研究概要 |
ネットワーク演習環境提供システムLiNeSを教育現場へ導入するために,LiNeSの各演習機能の補完,専用の教育コースの構築,および授業支援機能の開発を行うことを目的とする.本年度においては,1)OSインストール演習機能の開発,2)大規模仮想ネットワーク管理機能の開発,3)大規模ネットワークトラブルシューティング演習機能の開発を行った. 機能1)のために,異種型の仮想マシンによる仮想ネットワークの構築を可能にする機能を,仮想ネットワークデバイスとブリッジ機能の活用により実現した.OSインストール機能のためにVMware PlayerやKVMなどを,大規模化のために計算機リソースの消費量の少ないUser-mode Linuxにより,仮想ネットワークを実現できるようになった.機能2)~機能3)は,トンネリングソフトウェアvtundにより各PC上の仮想マシンネットワークでオーバレイネットワーク(仮想マシンオーバレイネットワークと命名)を実現し,その仮想マシンオーバレイネットワークを管理するサーバを実装した.このサーバは,学習者のPC上で動作するLiNeSから管理対象となる仮想ネットワークのネットワーク情報(ドメイン名やIPアドレス帯など)を収集し一元管理するものである.これにより,サーバが学習者のPCで動作するLiNeSに様々な指示を与えることや,LiNeSから情報を収集することができるようになるため,大規模仮想ネットワークの管理や,ネットワークトラブルのある仮想マシンオーバレイネットワークを自動的に構築することが可能となった.
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