研究概要 |
平成22年度は,これまでに開発したノートテイキング支援,Paper-top Interface(PTI)をインタラクションという観点から機能拡張するとともに,PTIをe-Learningシステム(LMS/CMS)との連携・統合に向けて,教師支援であるオーサリングシステムを開発した.具体的な成果を以下に挙げる. 1.PTIにおけるインタラクションの多様化の検討と機能設計・実装 (1)ノートに対する操作により,投影教材に変化を生じさせるインタラクションを実現した.例えば,ノートを手前に傾けることによって,教材を非投影にできる(反対に傾けると投影される). (2)定期的なノートの画像撮影は保存容量の消費や検索の困難さがあったため,2次元マーカを塗り潰すというインタラクションを実装し,学習者の任意のタイミングで画像撮影できるようにした. (3)教材に演習問題をアノテーション表示し,2次元マーカを手で隠すことにより,選択肢を選べるようにした.また,次のページをめくることで,その正誤を表示することもできる. (4)静止画の教材だけでなく,動画も投影し,ノートの移動や回転に追従するようにした. 2.RFIDによる学生認証機能の実装 PTIに接続されたリーダで学生のRFIDタグを読み取り,その時間その教室で受講する授業の教材を投影するようにした.これはPTIとe-Learningシステムの連携の一部分である. 3.Webベースのオーサリングシステムの設計・開発 (1)ノートの各ページに対する投影教材,その枚数や投影位置を指定できるようにした. (2)演習問題をアノテーションとして教材に埋め込めるようにした. 4.研究成果を学術論文にまとめ,国内研究会,国際会議で研究成果を発表した.ICCE2010においてBest Poster Presentation Awardを受賞した.
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