研究概要 |
溶接作業者の動作測定の追加実験と,振動により作業時の適切な腕の動作を教示する装置を製作した. 昨年度の動作測定を被験者を増やして行った.被験者は技能者として技能検定試験合格者3名と初心者として溶接未経験の男子学生6名であり,それぞれ3回の作業を測定した.その結果,昨年と同様の結果に加え,初心者の手首が溶接方向と同じ方向に動くのに対して,技能者のそれは逆方向に動くことが分かった. 振動による作業の動作教示装置では,16個の小型振動モータを訓練者の上腕部の長手方向に対して4個,周方向に対して4個を等間隔に配置した装着具を製作した.これらのモータの制御はPCに接続されたマイクロコンピュータによる回路で行う.また,この回路にモータの駆動電流を調整する機能を付加して,振動が訓練者に不快感を与えないようしている.動作測定結果から,教示に必要な手首の動きに対する数種類の振動パターンを考案し,それが直感的に教示する動きを連想できるかを評価した.被験者3名に対して動作教示装置を装着させ,実験前に手首の動きを振動によって指示することのみを伝えておく.装置から振動パターンに与えた直後において,被験者の手首の動きを記録した.その結果,橈屈,尺屈,伸展,屈曲の動きを連想させる被験者全員に共通した振動パターンが発見できた.
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