研究課題
本研究課題は、現在教育現場を超えて社会的な問題になっている不登校や引きこもりを対象にしたコミュニケーション支援のための基礎研究を行うものである。特に不登校児童生徒への支援を最終目標としている。コミュニケーション支援を通して、不登校児童生徒にとっての「学校」に対する敷居を低くし、彼らの学校、学習に対する関心を高めるためのeラーニング環境について、基礎研究を行う。加えて、不登校児童生徒のための学習環境の設計およびプロトタイプの開発と評価を行い、不登校児童生徒と教室、教育センターの相談員をつなぐeラーニング環境構築のための可能性と限界を明らかにする。平成21年度においては、本研究課題に関する詳細な調査を主に行った。研究代表者のこれまで明らかにしてきたインターネット上でのコミュニケーションにおける感情的な側面の特徴について、より詳細に、またより多くの知見が得られた。この知見は、必ずしも不登校児童生徒に対するインターネットを用いた支援が簡単ではないことを示すものであった。たとえば、テキストベースのコミュニケーションにおいて、送信者による自身の感情の伝達の操作など、複雑な感情方略がみられた。したがって、メディアの影響という要因以外にも送信者の感情操作などの要因も感情伝達に影響を与えることがわかった。つまり、インターネットを用いて実際の不登校児童生徒に対する支援を考えたとき、様々なトラブルが予想されることがわかった。これらについて、学会発表等を行った。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)
日本教育工学会論文誌 33
ページ: 321-332
International Journal on E-Learning (IJEL) Corporate, Government, Healthcare, & Higher Education 8
ページ: 385-401