研究概要 |
本研究では、コミュニティにおける「創造性・イノベーションの促進」を目指し、(A)前提条件・レディネスの策定、(B)イノベーションの顕現機会の指標の開発、(C)異文化間(学習者間)でのコミュニケーションと協調支援方略の開発、(D)創造性・イノベーション顕現の仕組み全体の有効性の検証を目的としている。 平成21年度は、目的(A)において、コミュニティを活性化するためには、メンバが協働する体制が必要(Tamaki & Goda, 2009)であり、レディネスを満たしている必要があると考えた。シャンク&ジマーマン(2007)のエキスパートとノービスの自己調整学習スキルを参考にし、レディネスを自己調整学習スキルのレベルから測定するための質問項目を精選した。妥当性検証のための実証実験を行い、データを収集した。これを体系化することで、創造性が高くイノベーションを起こしているようなコミュニティのメンバのベーシックコンピテンシを提案すること(合田・松田,2010)ができる。また、目的(B)に関して、コミュニティのメンバの多様性を数値化するための類似性ツリーを作成し整理する予定であったが、学術分野と職業分野の2方面の資料や各種職業のコンピテンシの収集にとどまった。今後は、資料などから類似性のツリーを作成する。この結果を応用し、平成22年度には、「既存知識とスキルの距離をはかるためのインベントリ」開発を計画しており、そのためにも、確実に研究を進める。
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