研究概要 |
本研究では、コミュニティにおける「創造性・イノベーションの促進」を目指し、(A)前提条件・レディネスの策定、(B)イノベーションの顕現機会の指標の開発、(C)異文化間(学習者間)でのコミュニケーションと協調支援方略の開発、(D)創造性・イノベーション顕現の仕組み全体の有効性の検証を目的としている。 平成22年度は、平成21年度で達成できなかった目的(B)を達成するべく、インベントリ開発のために、コミュニティ構成員の多様性とは何かについて継続して調査を行った。一手段として、認知スタイルを含む学習スタイルから学習行動との違いを調査した(Goda, 2010)。目標(C)と(D)に関する事項を含めた研究を進めるうちに、既存知識とスキルの距離を測定するにはインベントリよりも、コミュニティ構成員の行動から直接測定する方が効率的であり、イノベーション顕現性を高めるのではないかと考え、仮説を修正した。この仮説から、他者と自分のスキーマを掛け合わせることにより協調学習を支援する仕組みを構築し、Cross-Breeding Diversity支援システムとして開発した(合田,2011)。目標(C)のコミュニケーション支援のための研究として、モバイルを使用したコミュニケーションについても調査を行った(Kimura, Obari, Goda, 2010)。平成23年度は、本システムを使用し、目標(C)の検証を行い、統合的に仕組みを評価し、目標(D)を達成したいと考える。
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