工業高等専門学校の実験は、実践的技術者の育成を目標として単位数が多く割り当てられている。一方で実験に関した改善が行なわれた事例は少ない。改善要素の1つに、実験機材の扱い方が挙げられる。実験の時に実験機材の扱い方が判らず時間を費やす場合などがある。そこで本研究の目的は、工業高等専門学校の実験を改善する目的として、実験・実習において機器の取り扱いが上手な学生のコツを明らかにすることにある。そのコツとは、注視点の場所と時間だと推測する。事実、過去の研究で実験機材になれている学生の手の移動軌跡は至ってシンプルであることがわかっている。言い換えれば、必要な箇所以外操作しない→必要な場所を見ない→必要な操作方法を知っている→コツと考える。このコツを動画抽出し、WEBを用いたe-Learningとして公開することで実験機材の扱い方が不慣れという問題を解消できると考える。 平成21年度では、プログラムの完成を目標とした。Windowsプログラムはあまり得意でないので外部から講師を招いて勉強会を行なった。撮影した動画から必要な箇所(静止)を抽出することは難しい。人間は自然と頭が動いている為、本人は静止していると思っている箇所でも数ピクセルは移動している。単純な背景差分では抽出できない。このため、時間単位で移動ピクセル量を計算して積分を行ない、時間単位の移動量を計算する。移動量がある一定の量を超えた場合、その区間を「動画」とし、それ以外を「静止」とした。現時点では、プログラムは完全に完成していないが目処はついたので来年度完成・試験運用とする。
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