• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

19世紀における技術者への熱学の普及と蒸気機関への応用について

研究課題

研究課題/領域番号 21700840
研究機関東京工業大学

研究代表者

小林 学  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 東工大特別研究員 (60447555)

キーワード科学史 / 技術史 / 蒸気機関 / 熱学 / 熱素説 / デービス・ギルバート / イギリス / コーンウォール
研究概要

2009年度の研究成果としては,まず18世紀末から19世紀初頭にかけての,熱と水蒸気および蒸気機関の理論を熱素説との関係において研究した成果を,2009年5月に日本科学史学会(九州大学)および2009年7月28日~8月2日の会期で開催された国際科学史技術史会議(ハンガリー,ブダペスト)にて発表を行ったことがあげられる.
19世紀後半の舶用蒸気ボイラの発達を,ボイラ形式の変化と鋼の大量生産技術の確立との関係から検討した研究成果を,雑誌『科学史研究』に論文を投稿し,掲載が決定した.
また,当該研究の加速度的進捗を図るため,英国を2度訪問し,資料収集および現地の機械などの視察を行った.研究の進展にともなって,デービス・ギルバート(1767-1839)が蒸気機関の理論形成に果たした役割に特に着目するようになった.Royal Institution of Cornwallの図書館には,トレビシックやホーンプロワーら技術者がギルバートとかわした書簡が,またCornwall Record Officeには,ギルバートの日記を含む彼に関する膨大な資料があり,その一部を複写した.
そもそもコーンウォール地方は石炭を産出しない金属鉱山地帯であったため,蒸気機関の熱効率を改善する大きな動機があったことはよく言われてきたが,このような背景だけでは,熱に関する科学と蒸気機関との関係を論じるには不十分であると考える.実際に科学と技術を具体的に橋渡しする人物や人的ルートが存在していたのであり,その中心的人物がギルバートであったと考えている.この人的ルートを通じて彼らは技術情報や自然科学的知識を共有しており,こういった人的関係が当時の蒸気機関の理論形成に影響を与えたものと考えている.2010年度は,さらに研究を進めた成果を学会等で発表予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 19世紀後半の舶用ボイラ発達における鋼の重要性について

    • 著者名/発表者名
      小林学
    • 雑誌名

      科学史研究 (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Caloric Theory and Watt's Law : High Hopes for the High Pressure Steam Engine in the Early 19th Century2009

    • 著者名/発表者名
      小林学
    • 学会等名
      XXIII International Congress of History of Science and Technology
    • 発表場所
      Budapest University of Technology and Economics Budapest, Hungary
    • 年月日
      2009-08-01
  • [学会発表] 熱素説とワットの法則―高圧蒸気機関への希望と挫折2009

    • 著者名/発表者名
      小林学
    • 学会等名
      日本科学史学会第56回年会一般講演
    • 発表場所
      福岡県・九州大学箱崎キャンパス
    • 年月日
      2009-05-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.histec.me.titech.ac.jp/course/kobayashi.htm

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi