本研究の対象となる「打ち首」や「さらし首」は刑罰史などの文献資料に登場するなかでは比較的多く登場するが、「さらし首」の痕跡が確認できる人骨の出土はこれまで皆無であった。神奈川県逗子市の名越切通遺跡出土した人骨の頭部には孔が穿たれていることが確認でき、孔の形状から和釘を用いたことが予想できた。頭部の孔は、「さらし首」として絵画資料に描かれているものと酷似していただけでなく、絵画資料からは判断できなかった頭部への穿孔方法についても、解明の糸口になる資料であり日本では初めての「さらし首」と推測できる資料を特定できた。
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