研究概要 |
1.19世紀気象観測記録のデジタル化 昨年度デジタル化が完了した19世紀の函館における気象観測記録の日気温・降水量・気圧データの品質管理を完了した.これにより当時の気候を復元するための具体的な解析が可能となる.また,収集済みであった19世紀のフィリピンおよびインドネシアの気象資料に含まれる降水量と気圧のデジタル化が完了した.今後も他の要素のデジタル化を進めるとともに,デジタル化済みデータの品質管理を行う. 2.19世紀の気候変動に関する解析 整備が完了した19世紀の函館の気温データを解析したところ,1850・60年代は前後の時期より温暖な傾向にあり,本州の傾向と類似していることが分かった.今後は気圧データなども利用して気圧配置を復元し,当時の気候の特徴をより詳細に検討する。 3.19世紀の台風経路の復元 昨年度,復元した19世の台風(日本への上陸・接近)について,今後は経路の復元を行うため,最近約50年に日本に接近した台風データをGISで解析し,台風経路のパターンや頻度の変化傾向を解析した.今後,この経路パターンを19世紀の台風に適用して,当時の台風経路の復元を目指す.
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