平成21年度、pHセンサの基本設計と開発、現場観測用装置の開発を行った。pHセンサについては、pHによって赤色光の吸光度が変化する色素、αナフトールフタレインをバインダと共に平面フィルムの上に塗布する、平面センサ開発のための実験を行った。しかしながら、溶媒にバインダとなるオチルセルロースと、吸光指示薬であるαナフトールフタレインを溶かしたものを作り、これを透明なプラスチックフィルムの上で蒸発させるだけでは、αナフトールフタレインの変色が十分に確認できるほどばインダ内における濃度が高いセンサを作ることが出来ないことが分加かった。この問題を解決するには、αナフトールフタレインをエチルセルロース内に効率的に埋め込むための処理(具体的には、αナフトールフタレインをトルエンに溶解させやすい様、あらかじめテトラオクチルアンモニウムヒドロキシド・メタノール溶液に溶解させておく)が必要であることが明らかになった。現場観測装置については、耐圧容器内に市販のCCDカメラと励起光源を組み込んだものを開発した。この装置の前面には潜望鏡が取り付けられており、この部分に開発中の平面センサを貼り付けて、潜望鏡部分を堆積物-水境界に差し込むことで、pH分布の現場観測を行う、という設計である。
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