対流圏エアロゾル粒子による大気微量成分の取り込み過程の解明

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21710025
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 環境動態解析
• 研究機関: 独立行政法人海洋研究開発機構
• 研究代表者: 竹谷 文一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 研究員 (50377785)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 不均一反応 / HO2ラジカル / エアロゾル粒子 / 取り込み係数 / 全球モデル / レーザー誘起蛍光法

研究概要

これまで報告がなかった不均一消失過程で、新たにHO2ラジカルのバイオマス燃焼起源エアロゾルの主要成分であるレボグルコサン粒子、および、ジカルボン酸粒子による取り込み係数の計測を行なった。実験結果から、取り込み係数に湿度依存性があることを見出し、HO2の水錯体などの影響が示唆された。また、測定した取り込み係数を化学輸送モデルに適用し、全球および特定地域においてもHO2ラジカルの不均一消失過程がHO2ラジカル以外の大気微量成分濃度変動にも影響を及ぼしていることが示された。

研究成果

• [雑誌論文] Measurement of overall uptake coefficients for HO2 radicals by aerosol particles sampled from ambient air at Mts. (2012)
  • 著者名/発表者名: F. Taketani, Y. Kanaya, P. Pochanart, Y. Liu, J. Li, K. Okuzawa, K. Kawamura, Z. Wang, and H. Akimoto
  • 雑誌名: Atmos. Chem. Phys. Discuss 巻: 12 ページ: 13787-13812
  • DOI: doi:10.5194/acpd-12-13787-2012
  • 査読あり
• [雑誌論文] Kinetics of HO2 Uptake in Levoglucosan and Polystyrene Latex Particles (2010)
  • 著者名/発表者名: F. Taketani, Y. Kanaya, H. Akimoto
  • 雑誌名: J. Phys. Chem. Lett. 巻: 1 ページ: 1701-1704
  • DOI: doi:10.1021/jz100478s
  • 査読あり
• [学会発表] 大気エアロゾル粒子を利用したHO2ラジカル取り込み係数の測定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 竹谷文一、金谷有剛、秋元肇
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 神奈川県(慶応義塾大学)
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] HO2ラジカルのジカルボン酸エアロゾル粒子との反応性測定 (2010)
  • 著者名/発表者名: 竹谷文一、金谷有剛、秋元肇
  • 学会等名: 第16回大気化学討論会
  • 発表場所: 東京(首都大学東京)
  • 年月日: 2010-11-17
• [学会発表] Measurement of uptake coefficients of HO2 radical by dicarboxylic acid particles (2010)
  • 著者名/発表者名: F. Taketani, Y. Kanaya, H. Akimoto
  • 学会等名: 21st International Symposium Gas Kinetics
  • 発表場所: Belgium(Leuven)
  • 年月日: 2010-07-20
• [学会発表] Measurement of Uptake Coefficients of HO2 Radical by Levoglucosan Particles (2010)
  • 著者名/発表者名: 竹谷文一、金谷有剛、秋元肇
  • 学会等名: 第26回化学反応討論会
  • 発表場所: 広島(広島大学)
  • 年月日: 2010-06-02
• [学会発表] レーザー誘起蛍光法を利用したHO2ラジカルの大気エアロゾル粒子による消失過程の解明 (2009)
  • 著者名/発表者名: 竹谷文一、金谷有剛、秋元肇
  • 学会等名: 第50回大気環境学会
  • 発表場所: 神奈川県(慶応義塾大学)
  • 年月日: 2009-09-16
• [学会発表] Heterogeneous interaction of HO2 radicals with submicron aerosol particles (2009)
  • 著者名/発表者名: F. Taketani, Y. Kanaya, H. Akimoto
  • 学会等名: The 30th International Symposium
  • 発表場所: フィンランド(Wanha Kasino)
  • 年月日: 2009-07-26