研究課題
将来の気候変化に対する亜寒帯陸域生態系のフィードバック(気候変化応答)を定量的に評価するため、植生動態、エネルギー・物質循環に関わる数値モデル研究が継続された。この研究を行う上で、数値モデル内のパラメータ抽出に関わる野外観測を要した。本年度の成果として、1)本総説では近年の大気-植生動態モデルに関する知見を取りまとめ、さらに今後の大気-植生動態モデルを使って物質循環研究で必要とされるポイントを取りまとめた(査読有、公表済)。また、2)開発してきた植生動態モデルを用いて、森林内の個体間競争の非対称性が林内の蒸発散量に及ぼす影響の数値解析研究の論文発表(査読有、公表済)、3)亜寒帯落葉広葉樹林の植生動態とエネルギー・炭素交換過程の推定に関する数値モデル研究の論文発表(査読有、公表済)、4)台風発生後の葉群の生理生態応答の変化が森林の炭素吸収量に及ぼす影響に関する論文発表(査読有、公表済)を行った。特に、4)は近年の急変する気象現象が植生の炭素交換にどのような影響を及ぼすのかを定量的に評価した研究で、雑誌編集者から大変高い評価を受けた。さらに、筆者は昨年度に引き続き本年度後半(2011年2月~2011年5月)より、ハーバード大学進化生態学研究室へ出向き、同大学の研究者と共同で植生動態モデル開発研究を進めた(現在進行中)。このように、筆者は研究実施計画にそった研究を展開させ、また訪問した海外の研究機関の研究者との共同論文作成の実現など果たし、着実に成果を上げた
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
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