研究課題
本年度は、単位産業構造モデルにスペクトラルグラフ法を適用し、製品サプライチェーンからエネルギー集約的な産業クラスターを検出する方法を再提案し、2000年環境産業連関表(国立環境研究所公表)を用いて乗用車サプライチェーンを対象とした実証分析を行った。実証分析の結果、自動車部品クラスター、ガラス製品クラスターなどエネルギー集約度の高いクラスターを具体的に再検出することに成功し、当該自動車部門だけでなく、垂直的、水平的な部門連携を行うべきエネルギークラスターを提案し、改正省エネルギー法で推奨する産業連携のあり方についても定量的に議論した。また、H21年度の分析は、国内経済(日本)を対象としている点、また、採用したスペクトラル法についても二分割クラスター解析を採用しているためクラスターの数の評価ができていなかった点が課題であったが、本年度は、研究対象を日本経済からアジア経済にするだけでなく、二分割クラスター解析ではなくより一般的な多分割クラスター解析を採用し、アジア国際産業連関表の情報から得られる各国の巨大な産業ネットワークからCO_2集約的な産業クラスターを検出することに成功した。また、Calinski and Harabasz指標を用いて最適なクラスターの数も決定した。分析の結果、各国間で最適なクラスターの数が異なっているだけでなく、最適なクラスター数を用いて検出されたクラスターは各国経済の特徴を示していることが明らかとなった。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (18件)
Environmental Science & Technology
巻: 45 ページ: 1184-1191