実施した研究概要 本研究は、超音波ならびに短波長紫外(UV)光を用いて、省エネルギーかつ有効な反応場である反応活性霧の効果的な発生手法を確立することを主な目的とし、UV波長、過酸化水素添加、UV/O_3照射、霧粒径などの観点から検討を加えるものである。本年度は、初期物性調査として、発生霧の粒径分布測定、短波長UV光照射時の生成粒子の傾向、過酸化水素と短波長UV光による活性霧生成とモデルVOCガスの除去について検討を行った。 得られた成果 超音波霧化により生成する粒子はマイクロオーダーの粒子であると報告されてきたが、走査型モビリティー粒径分析器の使用により、サブミクロン領域に主要な粒径ピークを持つことが確認された。また、本系に185nmを含む短波長紫外光を照射した際には、数十nm付近のより小さな粒子が分解生成物として大量に生成するが、超音波霧化を用いた系では、これらの生成が抑えられ、分解生成物による二次汚染も抑制できることが確認された。さらに、過酸化水素と短波長UV光を用いた系では、霧表面に反応活性種であるOHラジカルが生成していることが推察されたが、UVランプの波長、光量影響から除去率を評価した結果、OHラジカルの生成速度が反応律速になっている可能性が示唆された。これは、過酸化水素が水溶性であるために霧内部に存在し、光との効率的な反応が行えていない可能性を意味する。次年度は、これらの効率を向上させるとともに、オゾン等の疎水な物質を反応活性種の前駆体として用いることで、除去率がどう変化していくか等を検討していく予定である。
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