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2009 年度 実績報告書

中空糸膜を利用した化学吸収法によるCO2分離回収システムの高効率化

研究課題

研究課題/領域番号 21710076
研究機関信州大学

研究代表者

高橋 伸英  信州大学, 繊維学部, 准教授 (40377651)

キーワード地球温暖化対策 / CO2分離回収 / 中空系膜 / 膜コンタクター / 化学吸収 / 発泡放散
研究概要

本研究は,地球温暖化対策の一つとして火力発電所などの排ガス中からCO2を分離する技術に関するものであり,多孔質中空糸膜を用いたCO2化学吸収プロセスにおいて,吸収-放散システムの高効率化を目指したものである。具体的には,(I) CO2吸収時の反応熱を利用した省エネルギー型のCO2吸収-放散システムの開発,(II) 中空糸膜による吸収とフラッシュ法による放散を組み合わせたCO2回収システムの開発,を目的としている。
H21年度は,高分子多孔質中空糸膜モジュールを用いてモノエタノールアミンを用いたCO2吸収実験を行い,液流速が温度上昇およびCO2吸収率に及ぼす影響を明らかにした。実験室レベルの小規模モジュールでは反応による発熱より周囲への放熱が速いため,温度上昇を検出することは困難であるが,断熱を工夫することにより反応熱による温度上昇の検出が可能になった。実機スケールでは発熱に比して放熱が遅いため,CO2吸収に伴い液温度が上昇し,その結果,CO2吸収速度が低下する恐れがある。本研究の結果はそのような状況を解析するための重要なデータとなる。
また,無機多孔質中空糸膜を用いた減圧フラッシュ法によるCO2の放散実験を行い,膜の細孔径,透過側圧力,液流速などの条件がCO2の放散速度に及ぼす影響を検討した。透過側の圧力が比較的高い場合には,中空糸膜のチューブ側に供給されたCO2リッチな吸収液は膜の細孔を通って透過側(胴側)へと透過し,膜外表面を流下する際にCO2を放散する。一方,透過側圧力を低下すると,放散速度が増加し,吸収液が膜細孔を通過する際にすでにCO2が気化し,発泡が起こる。このような発泡放散現象は同じ圧力であれば,細孔径が小さいほど顕著に見られる。このような減圧による発泡放散は加熱方式に比べ省エネルギーになると期待され,さらに放散速度を上げるための条件の最適化が今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中空糸膜コンタクターを用いた化学吸収法によるCO2分離プロセスに関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      古田祐介, 高橋伸英, 高塚透
    • 学会等名
      第39回石油・石油化学討論会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      20091022-20091023
  • [学会発表] 中空糸膜コンタクターの膜特性がCO2吸収に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      古田祐介, 高橋伸英, 高塚透
    • 学会等名
      化学工学会第41回秋季大会
    • 発表場所
      東広島
    • 年月日
      20090916-20090918

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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