• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

イトゴカイと細菌の捕食-被食関係と相互関係による堆積有機物分解作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21710081
研究機関愛媛大学

研究代表者

國弘 忠生  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 研究員 (90512690)

キーワードイトゴカイ / 海洋微生物 / 有機汚泥 / キノンプロファイル / quinone-SIP / 安定同位体 / 有機物代謝 / 生物間相互作用
研究概要

堆積物食性多毛類イトゴカイは、有機物汚染域に生息する代表的な底生生物であり、高い有機物分解能力を有する。堆積物中の有機物の分解は、イトゴカイと細菌の協働により促進されると考えられるが、有機物分解に関するイトゴカイと細菌の相互関係は明らかになっていない。本研究では堆積有機物の分解に関するイトゴカイと細菌の相互関係の解明を目指している。
イトゴカイ高密度時にAlphaproteobacteria門に属する細菌群の増加がこれまでに報告されているが、同時期に有機物量も増加していることから、有機物量とAlphaproteobacteria門に属する細菌群の関係を調べた。愛媛県南宇和郡愛南町南部に位置する海域の魚類養殖場内外において、採取した堆積物試料(底質表層~1cm)について全有機炭素濃度(TOC)とキノン分析を行った。全28試料の堆積物のTOCは1.66~49.6mg/g^-乾泥の範囲であった。TOCと微生物量とみなせるキノン量に強い正の相関が認められた。TOCが高い地点ではUQ-10が優占し、低い地点ではUQ-8が優占する傾向にあった。つまり、有機物負荷の増加に伴いUQ-8を持つBetaproteobacteria門に属する細菌群主体の群集構造からUQ-10を持つAlphaproteobacteria門に属する細菌群主体の群集構造に変化することが明らかになった。したがって、Alphaproteobacteria門に属する細菌群は、イトゴカイの生育・増加および有機物量の増加の両方に関係していることがわかった。現在、イトゴカイと密接に関わるAlphaproteobacteria門に属する細菌を特定するために、イトゴカイ周辺の試料(堆積物、イトゴカイ、イトゴカイの卵、棲管、糞粒)を野外および室内培養系から採取し、PCR-DGGEによる解析を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 魚類養殖場由来の有機物が与える海底の微生物群集への影響2010

    • 著者名/発表者名
      國弘忠生、大森浩二、伊藤克敏、堤裕昭
    • 学会等名
      日本生態学会第57回全国大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-03-16
  • [学会発表] 魚類養殖場周辺海域の堆積有機物と微生物群集の関係2009

    • 著者名/発表者名
      國弘忠生、堤裕昭、伊藤克敏、大森浩二
    • 学会等名
      第25回日本微生物生態学会
    • 発表場所
      広島大学(広島県)
    • 年月日
      2009-11-21

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi