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2009 年度 実績報告書

有機・無機ハイブリッド光触媒を用いる低環境負荷貴金属回収技術

研究課題

研究課題/領域番号 21710082
研究機関九州大学

研究代表者

木田 徹也  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (70363421)

キーワードリサイクル技術 / 光触媒 / 貴金属 / 回収 / 太陽光
研究概要

近年、貴金属需要の急増によりその採掘量が増大している。結果、埋蔵量の少ない天然資源としてその枯渇が懸念され始めており、廃棄物や廃液から貴金属を回収する技術が益々重要になっている。廃液からの回収方法としては種々の方法が之までに考案されているが、プロセスが煩雑であり、より低コストでクリーンな回収方法の開発が望まれている。
本研究では、低環境負荷の新しい回収技術として光触媒を用いるプロセスの可能性を検討した。ヘテロポリ酸イオンであるSiW_<12>O_<40>^<4->を界面活性剤と複合化した有機・無機ハイブリッド光触媒を用いて、クロロフォルムと金イオンを溶解した水の2相系において、金イオンの光還元により金を粒子として回収することを試みた。ハイブリッド光触媒は水には溶解しないが、有機溶媒には溶解するという特徴があり、これを水と有機溶媒との二相系に溶解させると、ヘテロポリ酸イオンの高い親水性により、水相と有機相の界面にハイブリッド触媒が集まる。この特性により、有機溶媒-水界面という二次元的な空間を反応場として、厚さ70nm、幅1-20μmのシート状の金粒子が調製できることを確認した。シート状の貴金属粒子はその特異な形状異方性から回収が容易であり、本プロセスは貴金属の新しい回収技術として期待できる。また均一系の光触媒を用いて2相系で反応を行うことで、触媒の繰り返し使用が可能となることを確かめた。さらに、回収効率の更なる向上を目指して、金粒子に対する高い吸着特性を有するジチオールの添加を行った所、回収効率が大きく向上することを見出した。また、ハイブリッド化させる光触媒として二原子欠損型γ-SiW_<10>O_<36>^<8->を使用することで、シート状粒子の生成率が向上することがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Photoinduced Recovery of Gold Using an Inorganic/Organic Hybrid Photocatalyst2009

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Kida, Ryuji Oshima, Kazuhiro Nonaka, Kengo Shimanoe, Masamitsu Nagano
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Chemistry C 113

      ページ: 19986-19993

    • 査読あり
  • [学会発表] 有機・無機ハイブリッド光触媒を用いた金の回収2009

    • 著者名/発表者名
      松藤浩正、湯浅雅賀、木田徹也、島ノ江憲剛
    • 学会等名
      日本化学会西日本大会2009
    • 年月日
      2009-11-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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