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2010 年度 実績報告書

ペプチド脂質が形成するナノ構造体を利用した新規リサイクル技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21710085
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

小木曽 真樹  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチュープ応用研究センター, 主任研究員 (10356975)

キーワードリサイクル / 希少金属 / ナノ材料 / 脂質 / 自己集合
研究概要

本研究は、ペプチド脂質が形成する自己集合体の高い金属イオン捕捉能力を活用し、「廃棄物・廃液からの希少金属の回収技術」としての応用可能性を検討すると共に、金属イオンを捕捉したことで形成するナノ構造体を利用して「金属ナノ材料へ変換する技術」を確立することで、金属の回収技術とナノ材料製造を繋げる新たなリサイクル技術の開発を目的とするものである。
平成22年度は、前年度に得られた単一種の金属イオンのペプチド脂質に対する結合能や、条件の違いによる形態多様性などの知見を元にして、二種以上の金属イオンを溶解させた混合系における金属イオンの選択性を検討した。その結果、溶液のpHなどを変えることで金属イオンの選択性が表れることが分かった。また、原料であるペプチド脂質をそのまま用いた場合には選択性はあまり大きくないが、末端をイオン化したイオン型を用いた場合に大きな選択性が出ることも明らかにした。
これらの知見を元に、主に海底油田から排出される随伴氷を廃液のモデル系として採用した。随伴水中において、ナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属が除去すべきターゲットとなる重金属類に比べて著しく高い濃度で存在しており、重金属類だけを効率的に補足することが必要となる。簡易的なモデル系溶液を調整し、ペプチド脂質の末端イオン型を投入することで、特にアルカリ土類金属に邪魔されずに、重金属類のみを補足できる可能性を見出した。実際の随伴水を使用した実験を今後計画している。
また、昨年見出した、金属を補足したペプチド脂質が形成する自己集合体の酸化反応用触媒としての機能化を更に検討した。その結果、特にニッケルイオンを結合した場合に、すべてのニッケルイオンが表面に露出したナノチューブ状構造を取ることを明らかにし、昨年度に成果を出した銅イオンの場合より、はるかに高い効率で酸化反応を触媒出来ることが分かり、論文発表などを行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Semi-Solid Phase Synthesis of Metal-Complexed Organic Nanotubes2010

    • 著者名/発表者名
      小木曽真樹
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 39 ページ: 822-823

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highly Efficient Production of Organic Nanotubes with Various Surfaces and Their Application as Adsorbents2010

    • 著者名/発表者名
      小木曽真樹
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 6 ページ: 4528-4535

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Copper(II)-coordinated organic nanotube : a novel heterogeneous catalyst for various oxidation reactions2010

    • 著者名/発表者名
      Tanmay Chattopadhyay、小木曽真樹(実質筆頭)
    • 雑誌名

      Catalysis Communications

      巻: 12 ページ: 9-13

    • 査読あり
  • [学会発表] 異なる表面をもつ有機ナノチューブの高効率合成と吸着剤としての応用2010

    • 著者名/発表者名
      小木曽真樹
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-16

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公開日: 2012-07-19  

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