研究課題
若手研究(B)
銅酸化物超伝導体を用いて作製される固有ジョセブソン接合は、高温で動作する量子ビットの候補として期待されている。本研究ではBi系銅酸化物超伝導体の固有ジョセブソン接合の量子効果を解明するために、ジョセブソン接合間の電磁気的相互作用が最も強い場合の接合列のスイッチングダイナミクスを研究した。従来知られている範囲では、単一のジョセブソン接合は一つの量子力学系を構成するが、量子力学系の多体効果については、対応する実験を行うことが難しく未解明であった。実際に固有接合を作成し極低温でのスイッチング動作を解析した結果、固有ジョセブソン接合中の複数の接合が同時にスイッチするmultijunction switching(MJS)現象を発見した。これは、相互作用により複数の量子力学系が同時に動作することを示している。回路中の負荷抵抗の値で同時スイッチ数が制御出来る新奇スイッチ現象であることも判明し、将来的に多ビットを同時制御できる可能性を示唆している。
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physica C (掲載確定)
Phys.Lett. 96
ページ: 202504-1-202504-3
Phys.Express 3
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