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2010 年度 実績報告書

蛍光標識化水溶性フラーレンナノ粒子を用いた生体組織内動的挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21710109
研究機関大阪大学

研究代表者

小久保 研  大阪大学, 工学研究科, 講師 (20304008)

キーワードフラーレン / 水酸化フラーレン / ナノ粒子 / 蛍光標識 / ピレン / FITC / エネルギー移動 / 2-メチルマロン酸
研究概要

本研究は、これまでに申請者が開発した超親水性水酸化フラーレン合成技術を応用し、およそ1ナノメートルの粒径をもつ水溶性水酸化フラーレンナノカーボン粒子に蛍光色素を結合させ、蛍光顕微鏡などを用いて生体組織観察が可能な新規蛍光イメージング分子の開発を目的とする。昨年度は、低度水酸化フラーレンにピレン部位を導入することに成功し、リンカーの長さによってエキシマー蛍光の発現や蛍光寿命に変化が見られることを解明した。
今年度は、新たに水酸化フラーレンとFITCとの反応を行い、蛍光部位として、可視領域に強い発光のあるフルオレセイン部位の導入に成功した。構造の同定は各種分析手法により行い、蛍光部位がフラーレン骨格に対し1つ導入されたと見積もられた。また、蛍光消光実験により、ピレンに比べてFITCのほうが、エネルギー移動による蛍光の損失が1/2.5に抑制されることを確認し、実際に蛍光量子収率が2倍高いことを明らかにした。その結果、より蛍光顕微鏡観察しやすい蛍光標識水酸化フラーレンとなることが期待される。さらに、水酸化フラーレンが異性体混合物であるという欠点を克服するため、医薬品に応用可能な単一異性体水溶性フラーレン誘導体の創成へと研究展開し、水酸化フラーレンに代わる2-メチルマロン酸フラーレン六付加体の合成を検討した。現段階では、エステル二付加体の二つの位置異性体をそれぞれ構造決定することに成功し、反応機構に関する知見を得たと共に、異性体混合物の状態としてではあるが、水溶性のカルボン酸ナトリウム塩型の2-メチルマロン酸フラーレン六付加体を得ることに成功している。今後、水酸化フラーレンとの比較を行うことで、それぞれの長所を活かした応用が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Facile and Scalable Synthesis of Highly Hydroxylated Water-Soluble Fullerenol as a Single Nanoparticle2011

    • 著者名/発表者名
      K.Kokubo, S.Shirakawa, N.Kobayashi, H.Aoshima, T.Oshima
    • 雑誌名

      Nano Research

      巻: 4 ページ: 204-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Regiochemistry of [60]Fullerenyl 2-Methylmalonate Bisadducts and their Facile Electron-Accepting Properties2010

    • 著者名/発表者名
      K.Kokubo, K.Harada, E.Mochizuki, T.Oshima
    • 雑誌名

      Journal of Organic Chemistry

      巻: 75 ページ: 4574-4583

    • 査読あり
  • [学会発表] 蛍光標識水酸化フラーレンの合成およびその光物理特性2011

    • 著者名/発表者名
      小久保研
    • 学会等名
      第91回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      神奈川大学(横浜)
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] Synthesis of fullerenols having fluorophore moiety2010

    • 著者名/発表者名
      小久保研
    • 学会等名
      PACIFICHEM2010
    • 発表場所
      ハワイ・ワイキキカンファレンスセンター(米国)
    • 年月日
      2010-12-17
  • [学会発表] Near-Infrared Optical Absorbing Nanocarbon Material : [18] Trannulene as [60]Fullerenyl 2-Methylmalonate Adducts2010

    • 著者名/発表者名
      小久保研
    • 学会等名
      8th Eco-Energy and Materials Science and Engineering Symposium (EMSES)
    • 発表場所
      京都大学宇治キャンパス(京都)
    • 年月日
      2010-08-21
  • [備考] 大島研究室Webページ

    • URL

      http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~oshima-lab/

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公開日: 2012-07-19  

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