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2010 年度 実績報告書

自己組織化ナノチューブハイドロゲルによるバイオ分離デバイス創出

研究課題

研究課題/領域番号 21710117
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

亀田 直弘  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 研究員 (20517297)

キーワード自己組織化 / ナノチューブハイドロゲル / ナノチャネル / 光刺激応答性 / キャピラリー電気泳動 / DNA / 拡散係数 / 分離
研究概要

エチレンジアミンの両端にオリゴグリシンとアゾベンゼンをそれぞれアミド結合を介して連結した両親媒性モノマー分子群を設計・合成し、水中において自己集合させたところ、内径10-20nmの固体状二分子膜構造からナノチューブ群を形成することが明らかとなった。得られたナノチューブに紫外光を照射すると、固体状態にも関わらず二分子膜内でアゾベンゼン部位がトランスーシス構造異性化を起こし、それに伴いナノチューブが内径数nm以下のシリンダー状ナノファイバーへと形態変化することを見出した。さらに可視光を照射すると、アゾベンゼン部位の可逆的なシスートランス構造異性化に伴い、シリンダー状ナノファイバーが中空構造を持たないヘリカルナノテープへと形態変化することが分かった。これにより、ナノチューブの中空シリンダーに包接したゲスト分子を光照射によってバルク水中へと放出可能であることも明らかとなった。
平成21年度に開発したpH駆動型ナノチューブハイドロゲル化剤(=カチオン性非対称双頭型脂質分子モノマー)とゲスト分子として塩基性アミノ酸を包接した上記の光刺激応答性ナノチューブをキャピラリー内に充填した。検出窓から紫外光続いて可視光を照射し、光刺激応答性ナノチューブの形態変化により放出した塩基性アミノ酸がカチオン性非対称双頭型脂質分子モノマーを中和することで、キャピラリー内でナノチューブハイドロゲルを形成させることに成功した。ナノチューブハイドロゲルを実装したキャピラリーを用いて、DNAの電気泳動分離を試みたが、分離の再現性が得られなかった。ナノチューブ同士が形成する3次元網目空間のサイズの不均一性及びハイドロゲルの収縮・相分離が原因であることが推定された。そこで、ナノチューブの1次元中空シリンダー(ナノチャネル)におけるDNAの泳動について、蛍光顕微鏡観察と蛍光共鳴エネルギー移動を組み合わせた手法を用いて詳細に検討した。ナノチャネルにおけるDNAの拡散係数の値が、塩基数に依存することが明らかとなり、ナノチューブ1本によるDNAの分離デバイス創出の可能性を新たに提示することが出来た。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Liquid-Phase Nanospace Chemistry of Self-Organized Nanotube Channels2011

    • 著者名/発表者名
      Naohiro Kameta
    • 雑誌名

      Bunseki Kagaku

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Photo-Responsive Soft Nanotubes for Controlled Guest Release2011

    • 著者名/発表者名
      Naohiro Kameta
    • 雑誌名

      Chemistry-A European Journal

      巻: 17 ページ: 5251-5255

    • 査読あり
  • [学会発表] Organic Nanotubes with a Confinement Nanospace for Biomacromolecules2011

    • 著者名/発表者名
      Naohiro Kameta
    • 学会等名
      International Conference on Biomaterials Science (ICBS) 2011
    • 発表場所
      茨城
    • 年月日
      2011-03-16
  • [学会発表] Supramolecular Nanotube Hydrogels Having a One-Dimensional Confined Nanospace and Three-Dimensional Meshworks for Proteins2010

    • 著者名/発表者名
      Naohiro Kameta, Mitsutoshi Masuda, Toshimi Shimizu
    • 学会等名
      Pacifichem2010
    • 発表場所
      ハワイ
    • 年月日
      2010-12-17
  • [学会発表] 有機ナノチューブのナノ空間化学(5):ゲスト放出制御のための光刺激応答性ナノチューブの構築2010

    • 著者名/発表者名
      亀田直弘
    • 学会等名
      第59回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      2010-05-28
  • [学会発表] 有機ナノチューブのナノ空間化学(8):ゲストタンパク質の輸送拡散、放出速度、安定性に及ぼすナノチャネルの内径効果2010

    • 著者名/発表者名
      亀田直弘
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      島根
    • 年月日
      2010-05-16
  • [備考]

    • URL

      http://unit.aist.go.jp/ntrc/ci/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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