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2011 年度 実績報告書

単ノズル静電微粒化法による多機能性マイクロカプセルの創製と人工光合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21710127
研究機関創価大学

研究代表者

井田 旬一  創価大学, 工学部, 准教授 (20409783)

キーワードマイクロバイオシステム / マイクロカプセル / 人工光合成 / チタニア / 静電微粒化 / 磁性微粒子
研究概要

本研究では、これまで当研究室で確立してきた「単ノズル-静電微粒化法」と呼ばれる手法を応用し、カプセル壁膜を形成する高分子溶液に種々の機能性微粒子をあらかじめ混合しておくことで、これらの機能性粒子をカプセル壁膜に複合化した多機能性マイクロカプセルを調製する事を目的としている。また、この手法で得られた多機能性マイクロカプセルの応用の一例として、チタニア微粒子(TiO_2)と磁性粒子(Fe_3O_4)をカプセル壁膜に複合化し、カプセル内部に酵素を包括することで、人工光合成マイクロリアクターの創製を試みる。
昨年度の研究で、TiO_2導入カプセルが人工光合成を行うのに十分な光触媒能を有している事、またFe_3O_4を導入したカプセルが十分なハンドリング性の向上を示す事が示された。
そこで今年度は、単ノズル-静電微粒化法で作製した微小カプセル内に酵素を固定化可能かを検討するためにまず、測定が容易なインベルターゼ、セルラーゼを用いて実験を行った。その結果、これらの酵素を包括した固定化酵素カプセルの調製は可能であること、またカプセル粒径を小さくすれば、固定化酵素カプセルの見かけの反応速度も上昇する事が分かった。次に光触媒であるTiO_2と生体触媒であるジアホラーゼ、ギ酸脱脱水素酵素を電子伝達体であるメチルビオローゲン及びNADHで結ぶことで人工光合成反応を行う事が可能かどうかを確認した。この時、酵素による反応をセラミック膜の内側で、そしてTiO_2による光触媒反応をセラミック膜の外側で行う事で、酵素の光失活を防ぎながら実験をおこなった。その結果、セラミック膜で光触媒反応と酵素反応を分けることで、光による失活を防ぐことができ、この反応によりギ酸を生成可能で有ることが示された。ただこの時、犠牲剤としてエタノールが必要であった。現在、この系をマイクロカプセルに移し、最終的な人工光合成リアクターの創製に着手している。
以上の結果は、最後の応用の所のみ残しているが、本研究の大きな目的である多機能性マイクロカプセルの調製法の確立は出来たことを示しており、学術的、また工業的な応用可能性も含め、意義は大きい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Preparation of thermo-responsive functional composites by embedding TiO_2/Fe_3O_4 nanoparticles2011

    • 著者名/発表者名
      Junichi Ida, Fumiko Matsushima, Masanori Ochi, Tatsushi Matsuyama, Hideo Yamamoto
    • 雑誌名

      Particles 2011 Stimuli Responsive Particles and Particle Assemblies Proceedings

      ページ: 54-55

  • [雑誌論文] Preparation of thermo-responsive functional composites by embedding TiO_2/Fe_3O_4 nanoparticles2011

    • 著者名/発表者名
      Junichi Ida, Fumiko Matsushima, Masanori Ochi, Tatsushi Matsuyama, Hideo Yamamoto
    • 雑誌名

      AIChE Annual Meeting Proceedings

      ページ: 17e

  • [雑誌論文] 感温性機能ビーズの調製とその特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      井田旬一, 松島扶美子, 越智正宣, 松山達, 山本英夫
    • 雑誌名

      第49回粉体に関する討論会論文集

      ページ: 124-127

  • [学会発表] Preparation of thermo-responsive functional composites by embedding TiO_2/Fe_3O_4 nanoparticles2011

    • 著者名/発表者名
      Junichi Ida
    • 学会等名
      AIChE Annual Meeting
    • 発表場所
      ミネアポリス(アメリカ)
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] Preparation of thermo-responsive functional composites by embedding TiO_2/Fe_3O_4 nanoparticles2011

    • 著者名/発表者名
      Junichi Ida
    • 学会等名
      Particles 2011 Stimuli Responsive Particles and Particle Assemblies
    • 発表場所
      ベルリン(ドイツ)
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 感温性機能ビーズの調製とその特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      井田旬一, 松島扶美子, 越智正宣, 松山達, 山本英夫
    • 学会等名
      第49回粉体に関する討論会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      2011-11-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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