研究概要 |
現在のナノ加工では極短波長レーザーを用いた光リソグラフィーなどの手法が用いられている。しかし、光の回折限界のために加工限界に近づいており、新たなレーザーナノ加工技術の提案が必要とされる。ごく最近、研究代表者らは、波長532nmの可視光レーザーと金ナノ粒子を用いてガラス基板上へ直径30nm程度のナノ加工に成功した。そこで研究代表者は、高強度可視光レーザー(波長範囲400~700nm)と金ナノ粒子を駆使することにより、大気中下で高分子超薄膜およびガラス基板上へ世界最小のナノ加工(~10nm)を効率的かっ高精度に行う技術の基礎的な研究課題を提案する。 研究代表者が開発したナノ加工法を用いて、世界最小のナノ加工技術の検討のためには、ナノ粒子のサイズと高分子薄膜の種類および膜厚との間の関係を検討し、基礎的知見を得ることは非常に重要である。そこで、21年度は、作製する高分子超薄膜の膜厚と粒子サイズの関係について主に検討した。 使用した金ナノ粒子の粒子径は5,20,40nmの3種類であり、レーザー波長は532nmである。またポリメタクリル酸(PMA)およびポリカーボネート(PC)超薄膜を作製し、レーザーアブレーションによるナノ加工実験を行った。金ナノ粒子の粒子径と高分子超薄膜の膜厚との間に相関関係があることがわかった。また、粒子径5nmの金ナノ粒子を用いることにより直径15nm程度のナノホールを作製できることが明らかとなった。
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