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2009 年度 実績報告書

nano-SQUIDを用いた3次元磁気センサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21710143
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

松本 哲朗  独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 産総研特別研究員 (50450672)

キーワードSQUID / 微細化 / nanoSQUID
研究概要

現在、超伝導量子干渉素子(SQUID)の感度を向上させるために、素子の大きさをナノスケールまで微細化したnanoSQUIDの研究が盛んに行われている。本研究は、ピット状の凹みまたは、突起を基板上に作製し、そこに3chのnanoSQUIDを作り込むことで3次元磁束センサーの実現を目指している。
本研究で用いているnanoSQUIDは、Nb薄膜を微細加工した超伝導ループ及び、2つのブリッヂ形状の弱結合型ジョセブソン接合から構成されている。これらのnanoSQUIDは臨界電流値(Ic)大きくなりやすく、超伝導状態から常伝導状態へ転移した際の発熱が大きいという問題があった。この発熱は、I-V特性にヒステリシスが生じる原因になり、また極低温下での使用を想定した場合にも問題となる。そのために、立体構造上に3chのnanoSQUIDを作製する前に、1つのnanoSQUIDとして動作する素子作製プロセスを確立する必要があった。本研究では、Nb薄膜を用いたnanoSQUID作製に際し、設定した目標値は、Ic~20uA、転移時における発熱量がnWオーダーとした。
過去に、Nb薄膜の上部に常伝導体層を設け、熱・電気的にシャントすることでヒステリシスが抑制されることが報告されていた。本研究でも、この2層膜構造を採用し、常伝導金属はAu又はWを用いることとした。その上で、Icを低減するためには接合断面積を小さくする必要があり、接合幅とNb膜の厚みを詰めていった。その結果、Nb/W(膜厚16nm/70nm)2層膜を用いて、ブリッジ幅を80nmとすることで、4.2KにおいてIc=27uA、転移時の発熱量が約1nWでヒステリシスのないI-V特性を有するSQUID素子が得られた。本プロセスで作製されたnanoSQUIDは、印加磁場中で周期的なIcの振動を示し、SQUIDとして動作していることを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Nb nanoSQUIDのI_c低減に向けてのアプローチ2010

    • 著者名/発表者名
      松本哲朗
    • 学会等名
      第57回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      東海大学湘南キャンパス
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] Nb薄膜を用いたnanoSQUIDの作製と特性評価2009

    • 著者名/発表者名
      松本哲朗
    • 学会等名
      第70回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2009-09-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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