研究概要 |
研究目的の一つに,地域の地方自治体レベルで,地方財政という独自財源の効果的な使用方法を,日照格差や人口密集度といった地域特有のデータと関連させて明らかにすることがある.そのためには,地方自治体で施行する制度の実情を,ピックアップして調査する必要がある.そこで,2009年4月27日,申請者の研究機関所在地である,札幌市エコエネルギー推進課にてヒアリングを行い,当該市での太陽光発電補助金の推移,現状を把握するとともに,補助金実施のデータを入手した.また,平成20年に環境モデル都市に認証され,現在も環境施策に力を入れている北九州市にも2009年12月7日にヒアリングを行った.環境モデル都市とはいえ,補助金が一部の市民への所得譲与という性格のため,また予算に対する効果の計測について確たる手段が構築されていないため,予算の確保には常に苦慮することが明らかとなった.全国都道府県別の太陽光発電導入状況データを(財)新エネルギー財団より得て,その普及状況概要について分析を行った.これを,2009年9月26日-27日の二日間にわたり,日本環境共生学会学術大会においてポスター発表を行った.ここでの発表で,学会参加者から研究に対する意見を聞くことができた.そして,市町村での補助金実績と地域特性から,地域における太陽光発電の普及に係る要因を明らかにする前段階として,都道府県レベルでのモデル分析を行った.これを,2009年12月12日に,応用地域学会研究発表大会にて発表した.この発表を通じて,モデルについてのディスカッションを行うことができた. 2009年11月からの太陽光発電買取制度の変更を通して,太陽光発電を取り巻く環境も変化してきている.日本全体の制度のさらなる変更も視野に入れ,研究を進める.
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