1. 内容 (1)先行研究の発展として、超大型船→ヤード→フィーダー船の一方向だけでなく、反対方向のフィーダー船→ヤード→超大型船も含んだ、両方向のコンテナフローを考慮したコンテナ配置モデルの定式化とその解法アルゴリズムを開発した。数値実験の結果は学会発表等で意見交換を行うことで、今後の方向性を見出している。(2)荷役方式の違いを考慮するため、世界で利用されている荷役方式の調査を行い、ラバータイヤ式門型クレーン(RTG)、ストラドルキャリア(SC)、レール式門型クレーン(RMG)の3方式の利用が多いことを確認した。(3)各荷役方式での作業時間データを収集するために、ビデオカメラによる現地観測を行い、抽出したデータを使って、本船荷役作業シミュレーションモデルを構築した。 2. 意義と重要性 (1)先行研究でコンテナフローの一方向のみに限定した理由は、問題を単純化し、最適解との誤差に代わる、解の精度を示すことを目的としたため、現実的な問題とはなっていない。そこでコンテナフローを両方向にすることで、超大型船が出港するまで時間を算出できるものとなっている。(2)国内では公共バース、公社バースで利用されるマシンは異なり、海外では自動化(無人化)マシンを導入する所もあり、世界中を見ると必ずしも国内事情と同様とは限らない。そこで大規模港湾だけでなく、改めてどの荷役方式がどこで多く用いられているか確認した。(3)コンテナ配置問題で荷役方式の違いを考慮するには、マシンごとの作業時間データを用意する必要がある。そこで荷役作業シミュレーションモデルを構築し、その出力データである時間と各種入力データを用いて、時間推定モデル構築にする予定である。
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