研究課題
閾値を有する確率分布は、統計学分野をはじめ、信頼性、品質管理学、医学、薬学、生物学、情報学等極めて広範囲の分野で用いられる確率分布である。閾値を未知パラメータとし、他のパラメータと共に同時パラメータ推定を行おうとすると、Cramerの正則条件が破綻し、最尤推定量の導出や漸近理論の構築ができないという統計学的問題が生じる。この非正則問題のために、閾値を有する確率分布の区間推定法や仮説検定法の研究、開発も遅れている。本研究は、閾値を有する確率分布の非正則性問題の解決を考慮した推定法の確立を目的とする。本年度は、閾値を持つ確率分布として、主に3パラメータワイブル分布及び3パラメータガンマ分布に焦点を当て、完全データにおけるパラメータ推定法の開発に取り組んだ。開発した推定法では、全てのパラメータの値において推定量が一致性を持ち、全てのパラメータの値と全てのサンプルサイズにおいて推定値が一意に存在することが証明され、非正則問題の一部が解決されていることが確認された。IEEE Reliability Society Japan Chapter Awards受賞記念講演会をはじめ、国内外会議にて成果発表を行った。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
The IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences E92-A
ページ: 1608-1614