研究課題
平成21年度に引き続き、閾値を持つ確率分布における非正則性の問題を回避した推定法の開発と理論構築を進めた。申請者はこれまでの研究において、ある変数変換(この変換をW変換と呼ぶ(申請者が命名))を用いて標本から閾値及び尺度情報を取り除いて推定を行うと、非正則性の問題が回避されるとの知見を得ており、平成21年度のワイブル分布に引き続き、対象モデルを対数正規分布、ガンマ分布、逆正規分布まで拡張し、以下のことに取り組み、論文投稿及び国内外会議にて成果発表を行った。1.W変換後の標本に対する尤度関数の厳密な導出と形状母数の最尤推定量の導出及びその定理化。2.形状母数の推定量が、確率1で一意に必ず存在することの証明とその定理化。3.形状母数の推定量が、一致性を持つことの証明とその定理化。4。位置母数及び尺度母数について、確率1で一意に必ず存在し、さらに一致性を持つ推定量の導出。この内、2.の証明過程において誤りがあることが、投稿中の論文のReviewerの指摘により判明した。この定理の証明の数理的難易度は高く、平成22年度中の解決には至らなかった。平成23年度中の解決を目指す。また、本研究代表者は、2010年9月10日~9月26日までMcMaster Universityに滞在し、本研究の共同研究者であるN.Balakrishnan教授と共同研究を進め、非正則性を回避するための変数変換の新たな知見や対象モデルに関する新たな知見等を得ることができた。また、現地にて、複数の論文投稿を行うことができた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)
Journal of Japan Industrial Management Association
巻: 61 ページ: 347-354
Proceedings of 4th Asia-Pacific International Symposium on Advanced Reliability and Maintenance Modeling
ページ: 516-523
ページ: 708-715