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2010 年度 実績報告書

不均質な地質構造をもつ岩盤中でのダイク発達メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21710182
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

下司 信夫  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (70356955)

キーワード火山 / マグマ / ダイク / 噴火 / 三宅島 / 噴火予測
研究概要

力学的に不均質な地質構造をもつ火山体内部におけるダイクの成長過程の解明のため,野外調査により地表に露出するダイクの形状を計測し,ダイクの形状から推定されるマグマの過剰圧等の貫入条件を用いてダイクの形状発達における母岩の不均質構造の影響を評価した.前年度までに開発した,野外におけるダイク形状の計測方法及びマグマ過剰圧の推測方法を,三宅島火山火口壁やそのほかの火山に露出するダイクの形状計測に適用した.その結果,三宅島等にみられるダイクの形状の発達過程が,母岩の物性,特に母岩のヤング率のコントラストに規制さていることが明らかになった.野外調査により得られたダイクの形状を定量的に評価するため,ダイク周辺母岩の変形を有限要素法を用いてモデル化した.その結果,三宅島等でみられたダイクの厚さの変化は,ダイク母岩のヤング率がおよそ2~3桁のコントラストを持つと仮定すると整合的に説明可能であることが明らかになった.また,有限要素法を用いたダイク形状の解析により,力学的に不均質な層状構造を持つ母岩構造が,ダイクの貫入過程においてダイク内部のマグマの過剰圧の時間変動をもたらすことを明らかにした.また,野外調査と有限要素法による解析の組み合わせにより,母岩強度の不均質な分布は,ダイクの発達のし易さあるいはしにくさを規制することが明らかになった.この結果は,母岩構造によってダイクの発達が停止する可能性を示唆しており,地下浅部の岩石強度の分布を知ることにより割れ目噴火発生のポテンシャルを評価することができることを示唆している.また,三宅島における地表に噴出したダイクの形状の野外観察結果からは,爆発的噴火に伴う火道浅部構造の形成過程を明らかにすることができた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Growth of phreatomagmatic explosion craters : A model inferred from Suoana crater in Miyakejima Volcano, Japan2011

    • 著者名/発表者名
      Geshi N., Nemeth K, Oikawa T
    • 雑誌名

      Journal of Volcanology and Geothermal Research

      巻: 201 ページ: 30-39

    • 査読あり
  • [学会発表] Caldera wall stability : evolution process of funnel caldera2010

    • 著者名/発表者名
      Geshi N, Acocella, V., Ruch J
    • 学会等名
      Collapse caldera workshop 2010, La Reunion
    • 発表場所
      Reunion大学(France)
    • 年月日
      2010-10-04
  • [学会発表] 母岩物性の不均質を反映した岩脈の発達過程2010

    • 著者名/発表者名
      下司信夫, 楠本成寿, A.ガドマドソン
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉県)
    • 年月日
      2010-05-25
  • [学会発表] Dike thickness controlled by the layering of the host rock2010

    • 著者名/発表者名
      Geshi N, Kusumoto S, Gudmundsson, A
    • 学会等名
      European Geosciences Union 2010 General Assembly
    • 発表場所
      Austria International Center, Vienna, (Austria)
    • 年月日
      2010-05-05

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公開日: 2012-07-19  

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