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2010 年度 実績報告書

病原性遺伝子制御因子LeuOによるゲノム転写包括制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21710198
研究機関法政大学

研究代表者

島田 友裕  法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (10535230)

キーワードゲノム発現制御 / 病原性細菌 / 転写因子LeuO / Genomic SELEX / SELEX-chip / バイオフィルム / 転写因子Cra / 転写因子CRP
研究概要

大腸菌病原性遺伝子制御因子LeuOによるゲノム発現制御機構の解明のために、ゲノム上の結合領域を同定する目的でGenomic SELEX実験を実施した。これまではGenomic SELEXで得られたDNA断片はクローニング・シークエンシング(SELEX-clos法)によって解析されていたが、この方法では転写因子との親和性が低いターゲットを同定する事が困難であった。そこで本年度は、Genomic SELEXのDNA断片の解析にタイリングアレイ(SELEX-chip法)を用いることで、簡便にかつ網羅的にDNA断片を解析する手法の確立を試みた。システムの確立のために、転写因子の機能が良く理解されており、結合認識配列が決定されている転写因子CraおよびCRPを解析した。この二つの転写因子は大腸菌炭素源代謝のグローバルレギュレーターとして知られている。SELEX-chip法で解析を行ったところ、Craは既知結合領域数23カ所に対して新規結合領域を144カ所、CRPについては既知結合領域数170カ所に対して179カ所もの新規結合領域を同定する事に成功した。これらの新規ターゲットには転写因子の結合認識配列が保存されていた。また、新規に同定された推定支配下遺伝子群への制御機構の解析を行ったところ、実際に制御していることが確認され、炭素源代謝における新たな役割が提案された。これらの結果から、SELEX-chip法の有効性が確認されたので、LeuOの解析に応用した。その結果、既知結合領域数15カ所に対して新規結合領域が125カ所も同定された。結合領域を解析したところ、外来性遺伝子群の包括抑制因子であるH-NSの結合領域と重複していたため、LeuOがゲノム上の広域においてH-NSの抑制化を解除している可能性が示唆された。新規支配下遺伝子群にはバイオフィルム形成に関与する繊毛や外膜タンパク質をコードする遺伝子が多く存在しており、転写制御解析から、実際にこれらの遺伝子群がLeuOおよびH-NSによって遺伝子発現制御がおこなわれていることを同定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Novel Members of the Cra Regulon Involved in Carbon Metabolism in Escherichia coli2011

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Shimada
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology

      巻: 193 ページ: 649-659

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel Roles of cAMP Receptor Protein (CRP) in Regulation of Transport and Metabolism of Carbon Sources2011

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Shimada
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] ふたつの転写因子CRPとCraによる大腸菌炭素源代謝遺伝子群の転写制御の全体像2011

    • 著者名/発表者名
      島田友裕
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都)
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] 大腸菌炭素源代謝制御のふたつの転写因子CRPとCraによるゲノム転写制御の全体像:Genomic SELEX法を用いた解析2010

    • 著者名/発表者名
      島田友裕
    • 学会等名
      生化・分子生物学合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] Genome-wide Genomic-SELEX Search of Regulation Targets by Transcription Factors2010

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Shimada
    • 学会等名
      Jacques Monod Commemorative Mini symposium
    • 発表場所
      パリ(フランス)
    • 年月日
      2010-05-31

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公開日: 2012-07-19  

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