研究課題
本年度は、昨年度見出した方法論を拡張し、キサンテン骨格を有する蛍光色素誘導体を基本骨格とし、その蛍光特性を導入する置換基の種類により自在にコントロールすることができる新規な方法論を確立することができた。この方法論に基づき、蛍光色素骨格をスクリーニングすることにより、がんに特徴的な微小環境(低酸素環境)を感受してOFFからONへと切り替わる蛍光性小分子プローブのさらなる効率化に成功した。さらに、この知見を生かし、細胞内で導入されることによって初めて蛍光がONとなるため、洗浄操作を必要としない細胞内pHプローブの開発に成功した。また、酵素の活性を色調変化として読みだす事の出来るレシオ型蛍光プローブの開発にも成功した。様々な応用例を評価していく過程で、本戦略が極めて一般的かつ合理的に分子構造を基に蛍光特性を自在にコントロール出来ていることが明らかとなった。また、予備的検討により、本手法で確立した蛍光プローブが細胞内のみならず、in vivoでも用いることができる可能性を見出すことができた。今後は、細胞内での作用機序について詳細に検討していきながら、in vivoでの応用を視野に入れて展開していく。また、他にも存在する低酸素環境に特異的な反応に注目した蛍光プローブの設計もおこなっていく。
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Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
巻: 21 ページ: 1663-1666
Biosensors for Health, Environment and Biosecurity/Book 1(ISBN 978-953-307-155-8)
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