研究課題
本年度は、昨年度までに本研究を通じて確立することができたOFF/ON型蛍光プローブの詳細な蛍光変化メカニズムについて、種々の分光学的手法や分子構造と機能の相関解析を通じて評価した。その結果、誘導体化した蛍光色素がナノ集合体を形成することに起因していることが明らかとなり、その詳細なモルフォロジー解析をおこなった。また、昨年来おこなってきた蛍光色素骨格のスクリーニングをさらに拡張展開することにより、これまでとは異なる位置への置換基の導入により、ナノ集合体の形成をさらに制御することができることも明らかとなった。さらには、そのナノ集合体が実際にどのようなメカニズムによって細胞内へと導入されていくのかについて、蛍光顕微鏡観察下での詳細な検討により明らかとすることに成功した。これらの検討を通じて、本研究で提案するOFF/ON型蛍光プローブを細胞内でのイメージングに供する上での有用な知見を蓄積することができた。いくつかの外部刺激応答性のOFF/ON型蛍光プローブについては、これまでに得られた知見に基づいて設計し、実際に設計通り機能することを、試験管内および細胞内での評価を通じて確認することができている。今後は様々な生理学的に有用な細胞内重要物質を検出するための蛍光プローブを開発し、評価していく。また、これまでに開発したがんに特徴的な微小環境(低酸素環覧)を感受するOFF/ON型蛍光プローブをはじめ、いくつかのOFF/ON型蛍光プローブについては、in vivoでの機能評価について着手している。
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