21年度は、各種政府刊行物、ウェブ情報などをもとに、台湾国内の文化財保護に関わる各種法律ならびに各種政策において産業遺産がどのように位置づけられているのかについてサーベイ調査を行なった。 8月と3月の台湾滞在時に、新竹地域のハイテク産業黎明期(昭和10年代)において重要な役割を果たした旧台湾総督府天然瓦斯研究所ならびに旧日本海軍第六燃料廠に勤務した現地スタッフを対象にヒアリングを行なった。 6月、現地研究協力者の黄鈞銘氏が経営する園区生活雑誌社より単著『台灣砂谷尋根-日治時期台灣高科技産業史話』を出版した。8月にその本の出版に関する記者会見を行ない、その模様が地元メディアで取り上げられた。 3月、許明財新竹市長の招きを受けて、新竹市政府を訪問し、産業遺産の保存・活用に関する意見交換を行なった。この模様も地元メディアで取り上げられた。 もともとの予定では、園区生活雑誌社のウェブサイト上に本研究の成果を公開するための専用ページを設ける予定であったが、先方の都合により予定より遅れている。22年度中の実現を目指す。 さらに、他地域の産業遺産関連の取り組みとの比較のため、新竹以外の台湾国内諸地域(台北、基隆、平渓鎮、金爪石、竹東鎮、横山郷など)とともに、横浜、横須賀、香港にも足を運んだ。
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