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2009 年度 実績報告書

「新たなヒューム主義」のもとでのルール-責任概念

研究課題

研究課題/領域番号 21720004
研究機関鹿児島工業高等専門学校

研究代表者

中村 隆文  鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科文系, 講師 (40466727)

キーワードヒューム主義 / 社会的正義 / 帰結主義(功利主義) / 契約論 / ゴティエ / B.ウィリアムズ / 動機付け理由 / 共感原理
研究概要

本年度は、まず研究内容に関わる各種資料を集め分析し、その分析結果に基づいた学会報告を3回行った。一回目の報告は、現代のヒューム主義者ともいわれるB.ウィリアムズの「道徳的運」の概念と、ヒュームと類似した共感概念をその思想的軸とするスコットランド啓蒙思想家のアダム・スミスの思想との関係性について論じたものである。二回目の報告は、ヒュームの情念論のうちにある動機付け理由が、間接情念か直接情念の二者択一的なものではなく、直接情念を下部構造、間接情念を上部構造とて両者が組み合わされた階層構造的なものであることを論じたものである。三回目の報告は、ヒュームの正義論が功利主義的なものでなく、契約論的なものを中核に含むと同時に、それが主観主義的な主張を超えた義務論とも重なるようなものであることを、D.ゴティエの契約論と比較しながら論じたものである。これらの資料分析および学会報告は、5月~11月の期間に行われた。
こうした学会報告は、従来のヒューム像(主観主義的哲学者というイメージ)を超えたヒューム主義、そして、これまでのヒュ一ム主義では語られにくかった社会的正義というものを、ヒューム本来の意図を組み込みながらどこまで語ることができるのかを模索したものである。
これらのプレゼンテーション、そしてディスカッションを経て、さまざまな識者の意見を取り入れた形で、学会誌投稿用の論文へと内容をまとめると同時に、次年度の研究へと活かしてゆく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ヒュームは契約論者でありうるのか?―ゴティエのヒューム分析を通じて―2009

    • 著者名/発表者名
      中村隆文
    • 学会等名
      日本法哲学会2009年度学術大会分科会報告
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] ヒューム情念論再考―道徳的行為へとわれわれを動機付ける「理由」はどこにあるのか?―2009

    • 著者名/発表者名
      中村隆文
    • 学会等名
      第20回ヒューム研究学会
    • 発表場所
      日本大学理工学部駿河台校舎
    • 年月日
      2009-09-07
  • [学会発表] 道徳的運のもとでの責任概念について―道徳において偶然性は解消されるべきか―2009

    • 著者名/発表者名
      中村隆文
    • 学会等名
      第68回 日本哲学会一般研究発表
    • 発表場所
      慶応大学三田キャンパス
    • 年月日
      2009-05-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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