1. 平成21年8月23日~27日に小樽商科大学・北海道大学を、平成21年12月6日~10日に帝塚山学院大学・桃山学院大学・大阪大学を、それぞれ訪問し、資料の調査・閲覧と中国哲学研究者との意見交換をおこなった。中国哲学研究者の在籍する国内の大学における中国哲学・経学関係資料の所蔵情況を把握することにより、それらの資料を今後の後漢経学研究にどう活かすべきかという問題について考えることができた。 2. 平成21年9月21日~26日に中国・北京市の中国職工之家酒店で開催された紀念孔子誕辰2560周年国際学術研討会に出席して「完成使命的《儒教国教化》学説-囲繞日本学者的論議-」と題する研究発表を、平成21年10月31日~11月1日に中国・重慶市の重慶信息技術職業学院で開催された儒家文化与青年精神国際学術研討会に出席して「五経与讖緯」と題する研究発表を、平成21年11月7日に東京大学で開催された日本道教学会第60回大会において「後漢時代における『老子』思想の展開」と題する研究発表を、それぞれおこなった。さらに、論文「『史記』『漢書』と漢代思想史研究」(『成城大学共通教育論集』第2号、平成22年3月)を発表した。これらは、平成21年度の本研究の成果として形に表れたものであり、各学会では、発表内容について国内外の多くの研究者と意見交換できた。 3. 勤務先の研究室において、後漢経学に関する書籍・論文等の資料を収集し、ノートパソコン・高速スキャナー・レーザープリンターといった情報機器をそろえて資料の整理を進め、今後の後漢経学研究の基盤を構築することに努めた。情報機器を駆使することにより、用いたい資料や語句を短時間で調査することができ、後漢経学の資料の体系的整理に大きく寄与するものと考えられる。
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