研究課題/領域番号 |
21720014
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
井ノ口 哲也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30376842)
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キーワード | 後漢 / 経学 / 中国哲学 / 注釈 |
研究概要 |
平成23年度は、東日本大震災後の影響があったものの、出席可能な国際会議として、平成23年12月3日~4日に中国・北京市の中国人民大学で開催された国際儒学論壇・2011-"儒家的修身与処世社会治理"に出席し、「関於《周礼》的出現与其台頭」と題する研究発表をおこなった。さらに、文献読解と論文執筆に重点を置き、論文「後漢時代における『孟子』とその注釈」(『後漢経学研究会論集』第3号、後漢経学研究会、2011年6月)、書評論文「渡邉義浩著『後漢における儒教國家の成立』」(『史学雑誌』第120編第9号、財団法人史学会、2011年9月)、論文「『易』の台頭から『周禮』の台頭へ(覚書)」(中央大学文学部『紀要 哲学』第54号、2012年3月)、論文「「高宗諒陰三年不言」について」(『中国文史論叢』第8号、中国文史研究会、2012年3月)という4篇の論文を発表することができた。これらはいずれも後漢経学に関する一次資料を検討した本研究の成果として形に表れたものである。 このほか、平成23年8月27日に京都大学人文科学研究所で開催された三国志学会第6回大会に、平成23年10月8日~9日に九州大学箱崎キャンパスで開催された日本中国学会第63回大会に、平成23年11月12日に筑波大学春日キャンパスで開催された日本道教学会第62回大会に、それぞれ出席して、発表者や他の出席者たちと、後漢経学に関する意見交換をおこなう機会を得ることができた。 勤務先の研究室においては、一昨年度・昨年度に引き続き、アルバイト2名の力を借りて、情報機器を活用して後漢経学関係の資料の整理や入力作業を進めた。これにより、近い将来、用いたい資料や語句を短時間で調査することが可能となり、後漢経学の資料の体系的な整理と活用に大きく寄与するものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去3年間において、計7篇の論文を発表し、7つの学会発表(うち6つが中国における国際会議での発表)をおこなった。また、勤務先の研究室では、毎年度、本研究に関係する資料の検討と整理を一定程度進めることができている。以上から、本研究は、おおむね順調に進展している、ということができる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、平成24年度が最終年度となる。最終年度においても、過去3年間と同様に、国内外の学会で研究発表をおこない、論文を発表する予定である。また、勤務先の研究室においても、従来どおり、本研究に関係する資料の検討と整理に従事する予定である。そして、平成24年度末には、4年間の本研究を総括するべく、研究報告書を作成し、国内外の研究者に配布する予定である。
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