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2010 年度 実績報告書

「帝国」概念の思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21720026
研究機関東北大学

研究代表者

桐原 健真  東北大学, 大学院・文学研究科, 助教 (70396414)

キーワード帝国 / 言説論 / 自他認識 / 日本思想史 / 会沢正志斎 / 水戸学 / 国学 / 蘭学
研究概要

本研究は、これまで実施してきた19世紀東アジアにおける国際関係観念に関する思想史的研究をふまえ、「帝国」ということばをキーワードとして、近世日本知識人たちにおける世界観の転回を、一人の主権者(皇帝)を中心とする冊封体制から、複数の主権者が並立・共存する近代国家間関係へ転回として、とくに東アジアとの関連から明らかにすることを目的とするものである。
22年度の研究においては、この「帝国」ということば、そして「帝国日本」という言説が、いかに18世紀末から19世紀中葉の蘭学者以外の日本知識人-国学者・水戸学者・儒学者-に受容されていったのかを通して、この時代における世界認識の転回を論じた。またこの検討を踏まえ、19世紀末の東アジアに伝播したこの日本発の「近代漢語」である「帝国」が、これらの地域-すなわち漢字文化圏-にもたらした国家観・世界観の変容をも考察し、2本の論文・3回の国際学会において発表を行った(内2回は招待講演)。
論文「「帝国」の思想」においては、「帝国日本」言説を受け入れつつも、「帝国」ということば自体は、これを「翻訳語」として拒否した水戸学者の会沢正志斎を主題とし、彼が最晩年に至って「帝国」の語を用いるようになるその過程を明らかにした。また、同じく論文の「幕末維新期尊攘論における国際社会認識の転回-「帝国」言説をめぐって」では、大国隆正を中心とする国学者グループが以下に「日本帝国」言説を受容していったのかを明らかにし、その背後に存在していた伝統的な漠文脈の存在を指摘した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 幕末維新期尊攘論における国際社会認識の転回-「帝国」言説をめぐって2011

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 雑誌名

      1910〓〓〓 〓〓 100〓:〓〓〓 〓〓〓 〓〓〓〓〓〓(韓日文化交流基金・東北亜歴史財団編)(ソウル・景仁文化社)

      巻: 単行本 ページ: 3-53、韓国語訳:3-28

  • [雑誌論文] 「帝国」の思想2010

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 雑誌名

      19世紀東アジアにおける国際秩序観の比較研究(吉田忠編)(財団法人国際高等研究所)

      巻: 単行本 ページ: 111-128

  • [学会発表] 他者としての「中国」研究-近代日本における学知の形成2010

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      嶺南大学校中国学研究センター他主催国際シンポジウム「東アジアの思想と対話:国境・テキスト・礼楽」
    • 発表場所
      大韓民国・嶺南大学校
    • 年月日
      2010-11-20
  • [学会発表] The Quest for Mahayana : Kawaguchi Ekai and the Buddha's 'Golden Words'2010

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      第20回 国際宗教史学会
    • 発表場所
      カナダ・トロント大学
    • 年月日
      2010-08-20
  • [学会発表] 幕末維新期尊攘論における国際社会認識の転回-「帝国」言説をめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      韓日文化交流基金/東北亜歴史財団主催「1910年、その以前の100年:韓国と日本の西洋文明受容」
    • 発表場所
      大韓民国・パラダイスホテル
    • 年月日
      2010-06-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.sa1.tohoku.ac.jp/~kirihara/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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