研究概要 |
昨年度に引き続き、文献データの収集整理および文献リストの作成を行った。未整理なところを多く含むが試験的にリストを公開した。公開方法としては、いくつかの可能性を検討した上で、文献管理ソフトMendeleyを利用したネットワーク上でのcollection機能を採用した(国際的な広がりで使用されているものなので、データ公開後に海外からの問い合わせもあったが、この機能はPublic Groups機能に変更され、体裁に若干の変更が生じたため、また国内での知名度・普及度などの点でも、このサービスを利用することには再検討の余地がある)。 これまでの研究成果の報告として、国内学会(「<象徴形式の哲学>の形成と感性論」第82回九州芸術学会、於御花史料館(柳川市)、2010年7月3日)および国際学会("Aesthetic Space and Style" : The 18th International Congress of Aesthetics, in Beijing University (Beijing, China), August 12th 2010.)で口頭発表を行った。これと並行して、カッシーラー哲学から見た遠近法の問題に関する論文を執筆した(「象徴形式と遠近法」沖縄県立芸術大学紀要第19号)。カッシーラーの立場から見るならば、遠近法に関するパノフスキーの研究は、神話的空間から理論的空間と美的空間が分離・析出する過程を認識理論史的な文脈で傍証するものであったことを確認した。 また、東京での研究会(カッシーラー遺稿集研究会)に出席してテクストの解釈に関して議論を行い、研究情報を交換した。
|