22年度の研究調査は (1)芸術空間における映像表現について、日本と中国で映像投射に上る技術的検証。 (2)中国と日本の若者を対象としたライブ空間における演出についての意識調査。 の2点について行った。 映像演出の技術的検証では、日本を代表する映像アーティスト長谷川章氏とともに、プロジェクター複数台を用いて抽象的な映像を建築物に投射。空間を構成する映像演出の技術的立証を得た。上海万博展示会場では日本と比べて不安定な電力設備、機材、空間等の環境での映像投射を行い十分な技術的立証を得た。 意識調査では、中国でのアンケート調査は最大のロック専門の音楽学校「MIDI音楽学校」の協力を得て約50名の音楽愛好者を対象にライブでの演出に関するアンケートを行った。このアンケートではライブに求めるものや、表現手法についてどのように思うかを5段階評価で回答してもらう方式とした。また同じアンケートを本学学生に対しても行い、日本と中国でライブに対する若者の考え方の共通点と相違点を明らかにした。 7月には前年度からの研究調査結果を日本デザイン学会第57回研究発表大会において「中国・北京における音楽興行会場の現状」として中国でのロック興行の歴史的背景からそれに伴う会場の現状と今後の方向について口頭発表を行った。この発表では中国における興行の現状が明らかになり、日本とのシステムおよび文化的考え方の違いを明らかにした。 研究実施計画にある研究協力と実施については、興行関係代表者への協力承諾は得たが、日中関係の動向をふまえて継続調査実施については検討を行った。
|