研究課題/領域番号 |
21720094
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
高橋 綾子 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (30435416)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 英米文学 / 環太平洋文学 / ビート文学 / 女性詩人 / アン・ウォールドマン / ヘレン・アダム / ジョアン・カイガー / ジェーン・ハーシュフィールド |
研究概要 |
24年度は、出版した『現代アメリカ女性詩集』を検証する。 検証を行う経緯は以下のとおりである。『現代アメリカ女性詩集』では、アン・ウォールドマン、ダイアン・ディプリマ、ジョアン・カイガー、ジェーン・ハーシュフィールドの4人の翻訳、インタヴュー、年譜を収録した。四人の女性詩人の翻訳出版は、本邦初であったこともあり、研究成果を広く一般読者に紹介することが大きな目的であった。この成果を踏まえ、検証の段階では、当初の研究計画に従い、4人に共通する要素である、ジェンダー、仏教、ビート文学の観点で作品分析を行う必要があった。そのために、フェミニスト研究およびビート女性文学に関する資料収集と文献調査を行うことが必要となった。4人の女性詩人に加え、ビート女性文学の第一世代である、ヘレン・アダムの作品と、デニス・レバトフに着目し、4人の詩人の作品との共通点を考察した。作品分析を行う中で、50年代から70年代にかけて、共通する視点つまり男性コミュニティの価値観を容認する傾向があることが判明した。80年代、以降はフェミニズムの影響を受け、変化し、90年代に至って、ジェンダーを越えた「いのちの視点」へと変化する詩の傾向を前景化した。作成した論文「環太平洋文学における女性詩人の詩学」は、シルフェ英語英米文学会紀要『シルフェ52号』に投稿した。 今後は、環太平洋文学の特徴について、これまでの男性詩人の活躍とあわせ、環太平洋文学の全体像を構築できるよう検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の成果出版である、『現代アメリカ女性詩集』の検証を行い、ジェンダー、仏教、ビート文学の観点で作品分析をおこなった論文「環太平洋文学における女性詩人の詩学」を投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、環太平洋文学の特徴について、これまでの男性詩人の活躍とあわせ、環太平洋文学の全体像を構築できるよう検証を行う。
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