研究概要 |
本研究計画は、十九世紀アメリカ作家マーク・トウェイン(Mark Twain, 1835-1910)と、彼が生き、執筆活動、講演活動などを続けたその時代におけるニューメディアとの関わりを、多様な観点から再検討し、また周辺の文化、政治、歴史状況なども視野に入れつつ、彼の文学の再定義付けを行なうものである。本年度においては、アメリカにおける資料収集を最も重視し、早くから計画を練り、8-9月にこれを行った。ジョージ・ワシントン大学ゲルマン・ライブラリやニューヨーク・パブリック・ライブラリなどにおいて、トウェイン関連の資料を閲覧し、また帰国してからその内容について研究を行った。 また10月には、日本マーク・トウェイン協会第14回全国大会トウェイン没後100周年記念のイベントである国際フォーラム『マーク・トウェインとは誰か?ロバート・H・バースト編集長と語る』(於慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎)において、この成果の一部を発表した。さらに彩流社より出版された『マーク・トウェイン文学文化事典』においても、これまでのトウェイン研究の成果を生かした論考をコラムとして世に知らしめることができた。 こうした印刷物を通じた成果発表のみならず、準備したサーバ上のインターネット・サイトや外部ブログなどにより、国内外の研究者達と研究情報を伝達しあうことが可能となったが、こうした手段がより円滑に行えるよう、また規模の拡大化に繋がるように、次年度はさらなる工夫を考えるつもりである。
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