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2011 年度 実績報告書

環太平洋アメリカ文学:記憶のエステティクス

研究課題

研究課題/領域番号 21720097
研究機関一橋大学

研究代表者

井上 間従文  一橋大学, 大学院言語社会研究科, 准教授 (50511630)

キーワードアメリカ文学 / 美学理論 / アジア系アメリカ文学 / アメリカン・スタディーズ / 映画研究
研究概要

本研究では近年進展の著しいトランスナショナルなアメリカ文学研究に美学理論(感性論)の視座を導入することで、歴史的記憶が感性的に分有されることで、既存の主体性の枠組みに抗うようにして、過去の暴力や出来事を想起する関係性を構成しうる可能性についての考察を行った。
平成23年度においてはUniversity of Southern California(南カリフォルニア大学)に提出した論文”Senses of History: Colonial Memories, Works of Art, and Heterogeneous Community in America’s Asia-Pacific since 1945”にその成果の大部分を収録した。アドルノ、ナンシーなどの理論にも依拠した本論文では、テレサ・ハッキョン・チャ、トリン・T・ミンハ、チャールズ・オルソンといった作家たちの作品の実験的ともいえるフォームに着目することで、作品が既存の言説の表象にとどまらない位相において、過去の記憶を主体化=従属化の機制に抵抗を促す「問い」として作家自身や読み手たちに提示していることを論じた。同時に、これらの作家たちが詩、エッセイ、映画・映像など複数の芸術の領域に関わりながら活動をしたことの必然性を問うことから、歴史的記憶の分有が、すくなくとも視覚と聴覚の間で分かちもたれるかたちで起こりうることを考察した。また、同様の問いをめぐって、広島を思考する映画表現と1960年代沖縄における絵画表現についての論考も発表した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 「「新自由主義時代における歴史の感覚:「再来」するブラック・アメリカとヒロシマ」2011

    • 著者名/発表者名
      井上間従文
    • 雑誌名

      柿木伸之編『広島の現在と〈抵抗としての文化〉―政治、芸術、大衆文化』 ひろしま女性学研究所 (図書所収論文)

      巻: - ページ: 54-65

  • [雑誌論文] 「『パレルゴン』の横断―安谷屋正義と沖縄の風景の『創造』」2011

    • 著者名/発表者名
      井上間従文
    • 雑誌名

      『las barcacs』

      巻: 1 ページ: 55-64

  • [学会発表] “Exterior Wounds: Parergonal Aesthetics in the Age of Military"

    • 著者名/発表者名
      Mayumo Inoue
    • 学会等名
      American Comparative Literature Association
    • 発表場所
      バンクーバー (カナダ)
  • [学会発表] 「『世界像』とオブジェクト-Charles Olsonと戦後太平洋」

    • 著者名/発表者名
      井上間従文
    • 学会等名
      日本英文学会 第83会全国大会 シンポジウム
    • 発表場所
      北九州市立大学
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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