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2009 年度 実績報告書

日本中世禅林における柳宗元受容の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21720121
研究機関愛媛大学

研究代表者

太田 亨  愛媛大学, 教育学部, 准教授 (80370021)

キーワード五山文学 / 中国文学 / 柳宗元 / 抄物 / 国文学
研究概要

筆者は、中世禅林における柳宗元の受容について、(1)中国より日本禅林に流入した柳宗元の詩文集、禅林で製された柳宗元の詩文集(五山版)、及びそこに書き入れられた五山僧の抄の実態を解明すること、(2)禅僧が柳宗元の詩文について注解した抄物の実態・価値を解明すること、(3)禅僧が自身の詩文に、柳宗元に関してどのように詠出したかについて解明すること、を目的として調査を進めている。
(1) について、両足院に所蔵される『柳文抄』の解題を書き終えた。仮名抄と漢文抄の二つの抄から成り、仮名抄は江西龍派の講抄により、漢文抄は惟肖得巌の講抄によるものであることが分かった。また仮名抄の底本には『新刊五百家注音弁唐柳先生集』が、漢文抄の底本には『増広注釈音弁唐柳先生集』が用いられていることが分かった。そして、『柳文抄』の編纂者として天隠龍沢の可能性が高いことも論じた。影印本が近々刊行される。
(2) について、中世禅林における柳文解釈がどのようなものであったか、「乗桴説」を取り上げて検討した。『柳文抄』は勿論のこと、五山版『新刊五百家注音弁唐柳先生文集』の書き入れを資料に用いた。宗旨に関連させる禅僧ならではの解釈や典拠にこだわって解釈する傾向が強いことが判明した。
(3) について、中世禅林のうち、特に中期(南北朝時代末期から応仁の乱頃まで)の禅僧が、柳宗元をどのように詠じているか調査した。多くの禅僧が柳宗元について詠じており、その内容は、宗旨に関連する場面に柳宗元の文を援用したり、柳宗元の詩を画図に描出したりしていることが分かった。
今年度にいたり、ようやく三つの柱が定着した感がある。今後も更に各領域の問題点について研究を深めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 日本中世禅林における柳宗元受容-中期の場合-2009

    • 著者名/発表者名
      太田亨
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部紀要 56

      ページ: 345-356

  • [雑誌論文] 日本中世禅林における柳文解釈-「乗桴説」について-2009

    • 著者名/発表者名
      太田亨
    • 雑誌名

      中国古典文学研究 7

      ページ: 17-32

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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